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☆
「船なら出ないよ。危なくてね」
港にいた若い船乗りに訊ねると、そうはっきり言われた。訊ねたブリードが理由を聞く。
「え。何故ですか?」
「なんだ君たち、何も知らずにここに来たのか」
「知らないって、何を?」
「君たちの見た魔物がこの島に住み着いて、船を襲ったことがあるんだ。ここも小さな島だからねえ。島を一周するくらい簡単らしくて、いつどこで襲われてもおかしくない。だから皆、船は出さないんだ。そんな時に君たちがここへ来たから、君たちはちょっとした有名人なんだよ」
「何か方法はないのか?」
と、ヴォルトが訊ねた。
「無いと思うよ。まあ、騎士団に連絡はしたから、彼らが魔物を退治してくれれば出港するんじゃないかな。予定では、騎士は明日に来るらしい。命が惜しくなければ、君たちが乗っていた船と同じものを貸すけど」
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