第二話

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☆ 「船なら出ないよ。危なくてね」 港にいた若い船乗りに訊ねると、そうはっきり言われた。訊ねたブリードが理由を聞く。 「え。何故ですか?」 「なんだ君たち、何も知らずにここに来たのか」 「知らないって、何を?」 「君たちの見た魔物がこの島に住み着いて、船を襲ったことがあるんだ。ここも小さな島だからねえ。島を一周するくらい簡単らしくて、いつどこで襲われてもおかしくない。だから皆、船は出さないんだ。そんな時に君たちがここへ来たから、君たちはちょっとした有名人なんだよ」 「何か方法はないのか?」 と、ヴォルトが訊ねた。 「無いと思うよ。まあ、騎士団に連絡はしたから、彼らが魔物を退治してくれれば出港するんじゃないかな。予定では、騎士は明日に来るらしい。命が惜しくなければ、君たちが乗っていた船と同じものを貸すけど」
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