第三話

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「人と……この太い線みたいのは、魔物の足跡か?」 ブリードの言葉にロゼが反応する。 「いえ。これは人魚の足跡ですね。人魚が地上を歩くときは、尾ひれに当たる箇所に、靴代わりのカバーのようなものを履いているそうです」 「人魚。港で見たあいつか……?」 ブリードは人魚の少年を思い出す。例の魔物を倒すという言葉が本当なら、先に来ていても不思議ではない。 「騎士の可能性もある。予定では朝に来るらしいが、早く到着したのかもしれない」 「いずれにしろ、より一層、警戒する必要がありそうですね。目的の魔物といつ遭遇してもおかしくないですし」 それから三人は奥へと進んだ。道中、小型の魔物と遭遇したが、難なく倒すことができた。 足元に注意して、緩やかな坂を下りる。すると、広い空間に出た。海に通じているのがわかる。
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