第三話

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「な、何が」 と、人魚の少年は、後ろを振り返る。そこには駆けるロゼの姿があった。 ロゼは走りながら、杖をイカの魔物に向ける。四つの火の玉がロゼの周囲に現れ、浮かんだ。次いで、四つの火の玉がイカの魔物に向かって行く。火の玉はイカの魔物を襲い、爆発する。 イカの魔物は倒れない。標的を人魚の少年からロゼに変えたイカの魔物は、長い足を横に薙ぐように振るった。 が、イカの魔物の足がロゼに届くことはなかった。ブリードが割って入り、刀で足を防いでいたからだ。 「ヴォルト!」 ブリードが叫ぶ。呼ばれたヴォルトは「ああ」と短く返事をして、イカの魔物へと駆けた。 イカの魔物の目の前まで近づいたヴォルトは、拳に雷を纏わせ、イカの魔物を殴りつける。
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