第三話

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イカの魔物は吹っ飛び、倒れる。起き上がる様子はない。一安心。ブリードがロゼに話す。 「まったく。一人で突っ走るなよ」 「ごめんなさい」 「ふう。で、大丈夫か、お前。名前は?」 人魚の少年に手を差し出すブリード。人魚の少年はブリードの手を掴んだ。 「ども。フランクっす」 「何故こんな真似をした。騎士団に任せればいいだろう」 と、ヴォルトがフランクに訊ねる。すると、フランクは大声で答える。 「そういうわけにはいかない! 騎士団に先を越されたら意味ねえっつの」 「どういうことだ?」 ブリードが不思議がる。一方、ロゼは倒れたイカの魔物を見つめた。そして考える。村人の話していた、例の魔物というのは、このイカの魔物で合っているのだろうか、と。 「まあ、あんたらに説明しても、わからないだろうな。俺たちは、魔物そのものではなく、魔物に付いているものに用があるんすよ」
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