第三話

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「それって、どういう……?」 ブリードが口を開いたそのとき、魔物の雄叫びが洞窟内に響いた。イカの魔物のものではない。そもそもイカの魔物はまだ倒れている。 「なんだ?」 ヴォルトが辺りを警戒する。 「へへっ。やっとお出ましか」 突然、海に続いている水面から、ドラゴンのような魔物が現れた。イカの魔物を食らい、水中へと引きずりこむ。 「今のは!」 ロゼは理解した。今の魔物が、海で出会った魔物であることを。 「どういうことだ。何故、あの魔物から、精霊の気配が……」 闘技場でも感じた精霊の気配。それが何故か魔物から感じる。ヴォルトは困惑した。 「ガアアアッ!」 水面から、突き破るように姿を現す魔物。翼はなく、四本の足を生やした、ドラゴンのような魔物は地面に立ち、咆哮をあげる。魔物の額には、蒼い宝石のようなものが、埋め込まれている。
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