第三話

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「ブリード!」 このっ、とロゼが火の玉を呼び出す。今度の火の玉は、先ほどの倍の八つ。ロゼを取り囲むように浮かぶ火の玉が、魔物の顔面に直撃した。小さな爆発がいくつも起こる。 続いて、ヴォルトが攻撃を浴びせる。ヴォルトは助走をつけると、大きくジャンプした。空中で右足に雷を纏わせ、思い切り右足で蹴りを入れる。蹴りは魔物の長い首にヒット。しかし、大したダメージを与えることはできなかったようだ。魔物はヴォルトを睨みつける。 「まずいな」 魔物が、地面に着地したヴォルトに噛みつこうとする。大きく口を開くと、鋭い牙が見えた。 しかし、魔物はヴォルトに噛みつくことを寸前で止めた。ブリードが飛翔する斬撃を放ったからだ。斬撃は、ヴォルトと魔物の間に割って入るように飛んだ。魔物の動きが少し止まる。その隙にヴォルトは後ろへと距離を取る。 「こいつ……」
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