第三話

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「すみません。役に立ちたくて」 「グルルルル……!」 唸る魔物。魔物とアイリスの目が合う。 「こいつか。コアを持っているのは」 「ガアアアア!」 魔物はアイリスに向けて雄叫びをあげる。アイリスは腰に付けたクリマを確認する。槍は手元にないが、それでも戦うつもりの様子だ。 その場にいた全員が、再び戦闘が始まると思った。しかし、野太い声が全員の注目を集め、止めた。 「そこまでだ!」 と、短髪の男性が、制止する。男性は鎧を着ていて、傍にも鎧を着た人間が二人いた。 「ちっ、騎士団か」 アイリスが舌打ちをすると、魔物は海へ潜っていった。逃走したようだった。アイリスがフランクに指示する。 「逃がしたか。フランク、行くぞ。今すぐこの場を離れる!」 「逃がすか」 騎士二人がアイリスたちの方へ走る。どうやらアイリスとフランクは騎士に追われる身のようだ。
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