第三話

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「フランク」 「了解っす!」 フランクが杖を掲げた。すると、大量の煙が発生し、洞窟内を包んだ。騎士二人は咳き込み、足を止める。その隙に、アイリスとフランクが走る。煙が充満し始めたため、視界が悪い。アイリスはロゼにぶつかりそうになった。 「ん……。お前、もしや」 「え?」 アイリスが、ロゼの顔をじっと見つめる。 「アイリスさん。早く逃げるっすよ!」 「……ああ」 騎士が魔術を行使したことで、煙が晴れていく。その頃には、アイリスとフランクの姿はなかった。ブリードとヴォルトがロゼの元へ駆け寄る。 「ロゼ。無事か? なんか話をしていたみたいだけど」 「ブリード。いえ、特に心配されるようなことは」 「それより、どうする? 力ずくでここを突破するのは難しいぞ」
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