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「フランク」
「了解っす!」
フランクが杖を掲げた。すると、大量の煙が発生し、洞窟内を包んだ。騎士二人は咳き込み、足を止める。その隙に、アイリスとフランクが走る。煙が充満し始めたため、視界が悪い。アイリスはロゼにぶつかりそうになった。
「ん……。お前、もしや」
「え?」
アイリスが、ロゼの顔をじっと見つめる。
「アイリスさん。早く逃げるっすよ!」
「……ああ」
騎士が魔術を行使したことで、煙が晴れていく。その頃には、アイリスとフランクの姿はなかった。ブリードとヴォルトがロゼの元へ駆け寄る。
「ロゼ。無事か? なんか話をしていたみたいだけど」
「ブリード。いえ、特に心配されるようなことは」
「それより、どうする? 力ずくでここを突破するのは難しいぞ」
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