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「うーん。他に何か描かれていないかな。ブリード?」
ブリードは辺りを見回していた。片膝を着き、地面を触る。ブリードが口を開く。
「戦闘があった形跡がある」
「魔物同士でやりあったんじゃねえか? 今はコアだろ、コア」
「……ああ」
「そうだね」
まだ納得していない様子のブリードだったが、ロゼは小太郎の言うようにコアを探した。石版の裏側を覗いたり、壁を触ってみたりしたが、何も起きない。
「コア、ないね。誰かが持ち去った後なのかも」
そのとき、猪に似た魔物が二体、部屋に入ってきた。魔物は荒々しい息遣いで、小太郎を狙う。全速力で駆け、突進する。
「小太郎!」
離れた位置にいたブリードが小太郎の名前を呼ぶ。小太郎は平気そうな表情だった。笑みを浮かべ、短刀を構える。
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