36人が本棚に入れています
本棚に追加
激突する。しかし、ぶつかったのは鎧武者ではなく、鎧武者が持つ大剣だった。鎧武者は両手で大剣を振るった。先ほど火球を消したときとは違い、叩き落とすように、縦に振るう。猪の魔物は大剣と地面にプレスされ、絶命した。猪の魔物の口から血が出る。
「フシュー」
鎧武者から蒸気のようなものが出ていた。よく見ると、鎧武者はもうボロボロだ。これなら勝てそうだ、と考えたブリードは息を吸う。
「小太郎。前線で戦えるか」
「余裕だっての」
「ロゼは鎧武者と距離を取りつつ、俺たちの援護。で、いいか?」
「うん。わかった」
「グゴゴゴ」
鎧武者はブリードをじっと見つめている。一瞬の静寂の後、三人が動き出す。
「いくぜ、ブリード!」
「おう!」
最初のコメントを投稿しよう!