タチが悪い

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タチが悪い

私、ミーコ。 聞いて、聞いて! 始めこそ、私を怖がったクセに。 あのインコ達は何?  私の部屋に乱入よ。 先頭に全身が黄色いインコ。 他の2羽を連れて、3羽で天井近くをランデブー飛行よ。 届きやしない。 もちろん私は大人しい猫よ。 あのね、彼女ね。 異常なくらいインコ好きなのよ。          ##  インコ達に、「猫の部屋に入ったら駄目!ママの言う事を聞いて!」 と怒鳴っていたわ。 はぁ、ママ? 彼女はインコのママなの? では私は? そんな顔を私、してたのね。 「3姉妹は私と養子縁組(ようしえんぐ)みしたの」 そんな事。言うのよ。 では私は?って二ャーと鳴いたら 彼女、私の言葉が分かったのね。 「ミーコは居候だよ。だって彼んちの猫なのよ。 ミーコは彼の娘だから、居候。私んちの子じゃないよ」 それ、どう言う理屈? でも私が年寄りで里親探しは、無理と思ったのね。 「ミーコ、永久指定(えいきゅうしてい)の居候だよ。 最後まで面倒、見てるね」 だから~⁉⁇ 永久指定で、何故まだ居候なの? 私は飼い主の娘よ。 でも、その飼い主は居ないわ。 彼女って変。 飼い主のいない私よ。 なのに、彼んちの猫と、私の事を言うのよ。 (にら)んでやったわ。 「だってミーコは彼の娘でしょ」         ##  駄目だ、これは。 その(くせ)、インコが彼女の娘だし。 私の立場は何?        ##  インコ達が飛んで来たわ。 私を怖がリもしない。 天井近くをぐるぐる旋回(せんかい)。 鳴いてるわ。 鳥語は分からないけど。 悪口って、分かるわよ。 『やーい、やーい。バカ猫ー』 分からなくても、そう聞こえるから不思議ね。 『アハハハハ』 笑ってる、嘲笑(あざわら)ってる。 ふふん、その内に彼女も、こき使うから。 それまで私は、ふて寝よ。 インコ達を完全無視よ。 私、昼は寝るの。 よく寝るから猫と言うのよ。 その代り、夜中に(えさ)といって 起こしてやるわ。  彼女。人が好いから夜中の2時・3時でも起きて付き合ってくれるわ。
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