甘やかな吐息

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 暫くして近藤さんはすっきりした顔をして戻って来た。 「改めておはよう」 「おはようございます」  白いニットに黒いパンツ。いつもの眼鏡にひげも綺麗に剃られていて、髪は…… (オフモード)  下ろした前髪を横にさっと流していて、ラフだけど清潔感がある。  近藤さんは隣にやって来て私を見下ろした。 「色々と置いてある場所分かったか?」 「はい。勝手にあちこち開けちゃいました。本当に必要最小限のものしかなくてびっくりです」 「だから、料理はしないんだ」 「よーく分かりました」  いたずらっぽく笑うと「お前は」と言って私の頭に手を伸ばしてくる。そしてそのままくしゃくしゃと髪を掻き混ぜた。
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