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真実の愛という言葉がある。 愛っていうのはそれ単体で既に尊いものなのに、わざわざ真実とかつけちゃって修飾過多にも程がある。 他にも愛にまつわる言葉の表現はたくさんあるけれど、そのどれもが語りたがりな一面を持っている。 聞いて、こんなことがあったの。どう?感動するでしょ?同情して?みたいな自己顕示欲の塊のように思えてならない。 そこでだ。 試しに愛を飯に入れ替えたらどうなるだろうか? たとえば…愛の逃避行。 きっと親に結婚を反対されたり不倫しちゃったりしたんだろうね。そこで私たちの遍歴を聞いてくださる?みたいな話になるのだろう。 では飯だったらどうなるだろうか。 飯の逃避行。 ただの食い逃げである。これはこれで大層な苦労話が展開されることも予想されるけど、犯罪行為なので推奨されるものではない。 無償の愛なんてのもある。相手に見返りを求めないのも愛の美徳のひとつなんだとか。 無償の飯なら話しは変わってくる。 本来、飯とは無償では食べられない。金銭が発生するものだし、奢ってもらったとしても代金を払ってくれる人がいるので、その人に媚びへつらわなければならなくなる。 ご馳走した側も「いいよいいよ」と言いながらも内心、感謝の言葉は期待しているはずだし、無きゃ無いでナンダコイツということにもなる。 ちなみに飯の逃避行に成功した人は無償の飯の体現者にもなりえるらしい。 ならば冒頭に述べた真実の愛はどうなるだろうか? 真実の飯… 昔々、あるところに真実ちゃんという可愛らしい女子大学生がおったそうな…この真実ちゃん。 料理がべらぼうに下手クソで…
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