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「やぁっ、あっ……なにっ、これ、……」  まるで舐め回されているような感触に、上ずった声が抑えられない。 「いいだろ、出し入れする動きに合わせてフィットするよう、設計してあるんだ。……もっと激しく、動いてみろよ」  そんな言葉を待たずに、自然と腰を振ってしまう。人形の口を、犯してしまう。  ペニスをしゃぶられながら、背後からは城が胸を弄りながら、突き上げてくる。  前からも、後ろからも与えられる快感に、気が狂いそうだった。自分のものとは思えぬ声で、淫らに鳴きながら、追い求める。 「城、……キス、……キスして」  夢のなかと同じように、喉が渇いてくる。顔を捻って城にすり寄せる。  差し出された城の舌に、自分の舌を絡める。  水音を立てながら、与えられる唾液を味わい、喉を潤す。  城の指先が、乳首を弾く速度を上げる。その刺激が、下半身を直撃した。 「あっ、あっ、ああっ、……もう、でそう……」 「いいから、口のなかに出せよ」  舌を絡ませたまま、城の吐息が囁く。  目を閉じ、眉間に皺を寄せ、深く感じ入る城の顔がたまらなく艶っぽくて、痺れが尾骨から一気に脳天まで駆け上がった。  快感が、弾ける。 「ああっ!」  ドクンドクンと、脈打つ。身体が、激しく収縮する。包み込んだ城を、締め上げる。 「あっ、いくっ……」  切ない声で呻きながら、俺のなかに城のものが注がれる。その温もりを感じながら、俺は崩れ落ちた。  肩に顔を埋め、荒い息を繰り返す熱い身体が、背中にぴったりと張りついてくる。心地良い重さを感じる。  城の手が、俺のペニスに伸びてくる。絞り出すように緩く抜かれた後、精液に濡れたそれをぺろぺろと舐めてから、「味見」と言って、三本の指を口に差し込まれた。  苦く青臭いその指を舐め回しながら、深呼吸をして息を整える。 「……大丈夫か?」 「……うん」 「……どうだった?」 「……気持ち良かった。……お前こそ、どうなんだ?」 「このまま死んでもいいってくらい、気持ち良かった」 「死ぬなよ、まだこれからだろ」 「ああ、分かってる。……けどもう、引き返せないからな」  ふいに真面目な顔になって、城がつぶやいた。  ため息のように大きく息を吐いてから、言った。 「初めてでこんなこと教えられて、引き返せるもなにもないだろ。……こうなったらもう、堕ちるところまで堕ちてやるさ」 「ああ、そうだな。……俺もいっしょだから、なにも心配するな」  そう囁き合って、笑い合い、またキスをする。しっとりと濃厚なくちづけに、頭のなかが痺れる。  このままふたりで、堕ちるところまで堕ちたい。  そこが天国だろうと、地獄だろうと、快楽の果てまで辿り着きたい。  そんな淫らな欲望に煮えたぎる、おたがいの汗ばんだ身体が、ふたたび熱を放ち始める。
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