不穏

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不穏

 末永は喫茶店で珈琲を飲んでいた。 向かいに驚くほど美しい女性が座って珈琲を飲んでいる。 「私は何をすれば?」 女性が言った。 「盗みの依頼の代金もったいないだろ?誘惑してくれればいいんだ、邪魔せず誘惑して君がアイツから盗んで私に渡す、私は奴を責める、ほらただだ」 末永は言った。 「わかったわよ」 女性はうなずいた。  樽井叶多と酒川旬は2つ目の像もあっさりと盗んだ、鷹の像だ。  俺の部屋で鷹の像を眺める。 「これも砕くのか、あとは蛇だ」 旬は言った。 「まぁ、砕くだろうなぁ」 俺は煙草を嗜み、旬に泊まってく事をすすめる。二人とも床に寝る事になる。まぁ仕方なし。そして朝がきた。いきなり部屋に男たちが侵入してきて俺と旬を縛りあげた。床に二人座って動けない。そして意識を失った。  俺は目を覚ます。夢じゃない。縛られていた縄はほどかれていたが、鷹の像が消えていた。 「やられた」 旬は舌打ちする。 「どこの奴らだ、俺たちの邪魔をする奴なんていたか?」 「ルパン三世には銭がた警部がいたけど俺たちにはいないな」 旬は下らない冗談を口にする。 「末永に報告する前に探そう」 俺は言った。 「どこをどう探す?」 旬が悩む。俺も考えつかない。  とりあえずハンバーガー屋に来てみたものの何の考えもなかった。ハンバーガーにパクつきコーラを飲みポテトを食べる。さてどうしよう。鷹と蛇。鷹は盗んだが強盗に盗まれ蛇が残る。 「オークションハウスに出たりして」 俺は言ってみた。 「オークションハウスねぇ···」 旬は乗り気ではなかった。 しょうがない、俺一人で確認しに行くか。 「旬は堰うらら誘えばいい」 俺と旬はハンバーガー屋で別々に行動する事にした。  オークションハウス。俺は席に座る。 次々に出品の品が出され金持ちが札をあげて競う。鷹なしか。俺はちょいとがっかりして外に出た、瞬間身体が痺れ意識がとんだ。  意識が戻るとストレッチャーに横になっていた。運転席と助手席に見たことない男がいた。 「樽井叶多が目を覚ましたぞ」 助手席の男が言った。 俺は動こうとしたが思うように動けない。何か薬を打たれたか?酒川旬は無事か? 「ようこそ救急車の中に」 運転席の男が歌うように言った。 「どこに連れていく?」 「なぁ樽井、鷹は探すな」 助手席の男はそう言って後部座席に移った。 身体が多少動くようになっている。フンッと俺は思い切り男に向かって拳を突き付けた。 「このやろ」 男はストレッチャーを蹴る。その勢いでストレッチャーが動く、足で救急車の後ろを蹴る。簡単に開きストレッチャーが道路にとんだ。思わず救急車から伸びるロープをつかむ。何のロープかはわからない。救急車が急に車線変更する。ストレッチャーは俺を乗せて動く。ヤバい。ストレッチャーが車のように救急車について走る。 俺は手を話す。救急車とストレッチャーはそれぞれの方向へ向かう。 「樽井待てコラ」 叫び声が聞こえた。 鷹を知っていた、あの男二人。何者なんだ? 俺はストレッチャーのスピードがゆっくりになるとストレッチャーから降りた。 誰かが鷹を、蛇を狙っている? 鷹を盗んで探すなという忠告?
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