3/32
506人が本棚に入れています
本棚に追加
/448ページ
 そう言いながら私は村井君の隣に腰掛けた。 「すまないね。眠かっただろう」  真顔で真っ直ぐ前を向いたまま答える、村井君。 「大丈夫よ。おはよう」  言いながら横顔を見た。鼻が高くてスッととがっている。外人さんのようだ。いつ見ても横顔も格好いい。 「では、上野まで向かいますよ」  山下さんがエンジンをかける。彼は秋の黒いコートを着ているが、きっとこれもブランドものだろう。皺が目立たないから。  私の着ている羽織り物は、赤羽ショッパーズプラザで購入したベージュ色のコートだ。割と安く購入した。
/448ページ

最初のコメントを投稿しよう!