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「大丈夫だ。母は僕がすることに関して何も言わない。父も同じく、だ。父は週に一度くらいしかこの家にいない。従業員のことは僕に任せてある」 「そうなの……」  M製菓の社長となるとそれはもう、多忙なのだろう。忙しすぎて家に帰る暇もないのか。 「そうね。アルバイト程度でも短時間でも来てくれると助かりますわ」  山下さんが言うと、名村さんもニッコリ微笑んで頷いた。  こうして私の『家政婦アルバイト』の採用はあっさり決まってしまった。いや、家政婦というよりは『お手伝い』と言うほうが相応しい。
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