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「言っておくけど、機関長にダメだって言われたら帰るからな」
「はい。でも、戻ってきてくださって、とっても嬉しいです!」
「じゃ、ちょっと待ってて」
ザザッ
「――あ、あ~、こちら、六丁目捜査官、乃波羅 界。瀬利デパート辺りを捜索中、一機の機械と遭遇。少しの間一緒に居ろと言われたのですが……よろしいですか?」
『なぜそんなことに?』
「その、久しぶりに人間と話して嬉しかったから、だそうで……。なんでも、この世界の状況について知っているとかなんとか……」
『そうか。こちらとしても、君には早く帰ってきてもらいたいところなのだが……その情報というものも魅力的だな。よし、そこにいることを許す。しっかりとその情報を聞き出せ』
「はっ!」
「どうでしたか?」
「いいって。ただし、本当にその知ってることを教えてくれるなら、だけど」
「はい! しっかりと知っている情報は教えます!」
「で、いつまで居たらいいんだ?」
「そうですね……。大体二日間くらい一緒にいていただければ、嬉しいです。そしたら最終日にその情報をお教えします」
「そんな短くてもいいのか? 一週間くらいは覚悟してたんだけど」
「いいえ。そんなに長くいても、困りますから」
「ま、俺の方も情でも湧いたら大変だし、それくらいがいいか」
「楽しい二日間が始まりますね」
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