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「はい。ですが、今は教えられません。これも最終日に、合わせてお伝えします」
「わかったけど……どうして最終日?」
「それは、まだ秘密です」
へらっと笑った顔を、ユウナは見せてくる。でも界にはそれが、自棄を含んでいるような笑みに見えた……。
それから界たちはまた探索を始めた。二人はどんどん奥に進んでいく。
「あ、あそこも見ておくか……」
歩いている途中、ひとつ扉があったので、界はそこに入ろうとする。しかし――
「界さん! そこはダメです!」
ビクッ
界は驚いて、一歩後ろへ下がってしまう。
「……い、いきなり大声出すなよ。で、どうしてダメなんだ?」
「えっと、そ、そこは私が管理しているところで、え、えーと、そこには何もありませんから、です」
「ふぅん……。でもそれならいきなり大声出すことないだろ」
「え、えーと、自分の生活ルームって、見られるの恥ずかしいじゃありませんかー」
「機械の癖に棒読みとか器用なことできるんだな。で、本当は?」
「……って、私は機械じゃなくAIロボットです! 機械と私を一緒にしないでください。私には知能がありますから。ほら、もう戻りますよ」
「はいはい」
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