背中を見つめ続ける体温

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「ん?」 朝界が起きると、なぜか布団がかかっていた。 「なんだこれ……?」 「界さん! 起きられたんですね。かってにお布団かけてごめんなさい。そんなうすい毛布じゃ寒いかと思いまして……」 「ふうん。ありがと。じゃ、俺は行くから」 「もう行って、しまうのですか? 久しぶりに人間の方とお話しできたのに……」 「言っただろ、俺は調査で来てるんだ。全然知らない機械の奴に構う暇はねえ」 「わ、私がもし、その調査のことでわかることがあるとしたら、いてくれますか?」 「……ユウナ、さんは俺に居てほしいのかよ」 「はい。いてほしいです」 「なんでだよ」 「久しぶりにこんなに話せたから、です」 「あっそ。俺にはここに居てやる義理はねえし。それにあんたの話を聞いて得られる情報より街を見た方がよっぽど利益があるっての。じゃ」 そう言って、界は歩き出した。 そして、その背中を見つめ続ける、ユウナ。 機械なのに、機械なはずなのに。 ユウナの目は、悲しさで溢れていた。 そしてしばらく歩いたころ。未だに自分のことを見ているユウナに、心が折れた。今度は、ユウナに向かって歩いていく。 そうすると、ユウナはとても嬉しそうな顔になって、 「ありがとうございます!」 って叫んだ。
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