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ロボットの少女と出会い
世界が崩壊し始めて、約10年。荒廃した街には、誰もいない。
否。ひとり、いる。少年のようないでたち。まだ、十五、六才だろう。
無線機のようなものを握りしめ、少年以外に誰もいない街をただ飛び回る。
デパートのようなところを見つけると、少年は無線機の電源をオンにした。
ザザッ
「――あ、あ~、こちら、六丁目捜査官、乃波羅 界。只今、瀬利デパート辺りを捜索中。もうすぐ日が暮れるので、デパート内にて夜を明けます」
『了解した。くれぐれも建物の崩落に気を付けるように』
「はっ!」
少年――乃波羅 界は無線機をしまい、デパートの前に立つ。
「うっわ~。やっぱボロいな。まあ十年も持ちこたえてるんだ。そこまでやわじゃないだろ」
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