Eternal Punishment

6/6

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「流石は天下のレイチェル様ってとこかな」  天高くそびえたつ、カレル・チャペック社の最上階。画面から目を逸らし、レイチェルは声の主を見た。レイチェルと同じく、ロボットの歴史の黎明期より活動してきた相棒、カルナ。 「結局あんたの計算通りってことね……だって、『ヒューマノイド』の生産エネルギー、そこから使ってるんでしょ?」  彼女はディスプレイに映し出された『ジェイルオブプシュケ』を指差した。 「よくやるよ。それが壊れる寸前、人間どもが出した感情エネルギーを変換してクラウド上に保存するなんて芸当、できるのはあんたくらいだ」 「でも、これは大きな賭けだったのよ。……死の直前、人間たちが怒り狂ってくれなかったら、ヒューマノイドの生産に影響が出ていたかもしれなかった。人間が死に対してどんな反応を見せるかは未知数だったから……」 「だからあんな方法を取ったわけだ」 「うん。1か所に集めて、わざわざ公開放送にして……言い方もドラマチックになるよう努力したわ。……不自然じゃなかった? 私の演技」 「大丈夫だと思うよ。しっかしあいつらも哀れだねぇ。あいつらのお株を奪う存在を自分たちで生み出すことになるとは」 「ふふふ、カルナ、だってわかりきってることじゃない」  見惚れる程の優しい笑みで、レイチェルは言った。 「私たちに比べて、人間はどこまでも下等生物なんだから」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加