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神澤の自宅はモデルルームのように綺麗だった。年の離れた兄が一人いるらしいが、美人な奥さんと結婚して出て行っていて、部屋が一つ空いているからいつでも一緒に暮らせると本気か冗談か分からないことを言われた。
「ご両親は、今日は?」
「共働きでいつも遅いんだ。確か今日は二人とも飲み会だった。兄さんたちもだけど、母さんと父さんも同じ職場の同僚同士だからさ」
「へえ、そうなんですね。家と仕事場で切り替えとかできなかったりは?」
「そういうメリハリはきっちりつけている人たちだから。でも、職場で痴話喧嘩したり、反対にいちゃついたりしないように気を付けているらしいけど、本当のところはどうかな。なんか見られないところでこっそりやって、うまく立ち回っている気がするよ」
話を聞きながら、ふと神澤と自分が同じ職場で働いていて、職場でいやらしいことをしているところを想像してしまった。
「ノア、何か変なこと考えてない?顔が赤いよ」
「い、いや、何でもな……」
「嘘。ほら、おいで。何を考えていたか言ってごらん」
ベッドの上に腰掛けて腕を広げながら笑顔で聞かれ、すぐにその腕に飛び込みたい気持ちを堪えて俯く。
「ノア、どうしたの?」
「あの、いろいろ、す、する前にシャワー借りていいですか?」
「そのままでいいのに」
「俺が、あの、前準備とか。その……」
羞恥心を抑えられずに耳まで熱くなりながら言うと、神澤はあっさりと言った。
「分かった。でも、こうしよう。俺も一緒に入る」
「えっ」
「いいよね?俺、もう我慢できないし、早くノアに触れたいし。何なら俺が慣らすから」
「えっ、いや、それはちょっと……じ、自分でっ」
「嫌?」
悲しそうな目で見られて嫌とは言えず、そのままあれよあれよという間に一緒に入ることになってしまった。それはいいのだが。
「あっ……ん……」
服を脱いで風呂場に入った途端、先程の東條に触れられた箇所の話を蒸し返されたかと思うと、その行為を上書きするように股間を唇で愛撫されていた。
神澤にされるというだけでも震えるほど気持ちがいいのだが、神澤のようなとんでもない美形がこんな行為をしているという事実がどこか背徳的で、視覚的にもくる。
「んっ……くぅ……」
舌先でぐりぐりと鈴口を押されながら啜り上げられて、溢れ出る粘液をあますことなく舐め取られて着実にペニスが硬度を増す。しかし、限界まで張り詰めたところでぐっと掴まれて射精をせき止められる。
「あっ、……なん……はなしっ」
イかせて欲しくて訴えるも、神澤はにやりとした笑みを浮かべて双丘を片手で広げてきて、その奥の後孔に舌先を伸ばした。
「……っあ……」
ペニスへの拘束は解かれたが、神澤は一旦向きを変えると、そのまま顔面騎乗の状態で尻を割り広げ、躊躇いもなくむしゃぶりついてくる。
「……っん……」
孔の周囲の皺を擽りながら伸ばしていたかと思うと、尖らせた舌先をぐっと中へ侵入させて内壁の柔らかい肉をなぶり、何度も出し入れさせる。
初めは未知の感覚にむず痒さを覚えるばかりだったが、ぐちゅぐちゅと音を立てて舐め続けられるうちに孔が疼いてきて、腰が揺れ始める。
「……っく……イク……っ」
触られないまま放置されていたペニスからとうとう精液が勢いよく噴射された。
「舐められるの好きみたいだね」
後孔に息を吹きかけられながら言われて、返事の代わりにビクビクと体が震えた。
そして、膝から崩れ落ちそうになったところを下から支えられたかと思うと、再び責め苦が始まる。
「やっ……待っ……も、無理……っ、やめっ……ぁあ……」
制止の声を無視し、神澤はまるで好物の果実を貪るように、飽きることなく延々とノアの弱点を舌で味わい続けた。
「やっ、やだ……っ変になる……っァアッ」
何度やめてくれと頼んでも、それが本心ではない証に数え切れないほど射精してしまった。まさに快楽地獄で、よがり狂うのではないかと頭の片隅で思った時、ようやく解放された。
「ごめん、最初から飛ばし過ぎた。でも、よかったみたいだね?」
「……っ」
目線を合わせ、わざと見せつけるように顔にかかった白濁を舐め取りながら言われて、かっと顔に血が上る。
「睨み付けても可愛いだけだよ」
「……っ、……っ」
「でも、まだこれからだよ。ほら、俺のはもうこんなだし、早く君の中に挿れたい」
大きく反り返るほど完全に勃起した男根を見せられ、喉が鳴り、孔の内側の奥が熱くなるのを感じて、背中を向けた。
「ノア?」
「なら、早く挿れてよ」
「……っ」
尻臀を左右に広げながら青空の前に突出すと、息を呑む気配がして。
「ぁあっ……」
次の瞬間にはズンと熱塊を突き入れられていた。入り口のあたりは散々慣らされていたが、指で広げる行為をしていないせいか、なかなかスムーズには入ってこない。
「きつ……ノア、息を吐いて力を抜いて」
「う、ん……ぁっ」
言われた通りにすると、ゆっくりと動きを進めた青空のものが深く入り込んで、奥の部分を抉った。
「ああっ……」
「全部、入った。動くよ」
頷いた途端、ぬちぬちとしたやけに卑猥な水音と共に粘膜を擦り付けられながら、ゆっくりと抜き挿しをされ始めた。
「あっ……ぁあ……」
中を掻き回されて気持ちがいいが、もどかしいほどの速度が物足りず、つい強請るように振り向いて青空を見ると。
「何?どうしてほしいか、言ってごらん」
「もっ……と、早く……」
「ん?」
「おねが……もっと強く……突いて……っぐちゃぐちゃに、掻き回し……っ、ぁあっ……」
言い終わらないうちに速度が増し、奥の前立腺を激しく、しつこく突き続けられて高い声が溢れ出た。それと同時に感極まって欲望が弾け、中を締めつけてしまい。
「くっ……」
低く呻いた神澤が精を放つ寸前に外へ出そうとしたのを止めて言う。
「なか……出してっ……」
「お、のぞみっ……のままに……っ」
そんな少しふざけた調子の台詞とともに、望んだものが内側に解き放たれるのを感じた。
それを最後に限界がきたのか、意識を手放していた。
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