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エピローグ
「気が付いた?」
目を覚ますと、真っ先に飛び込んできたのは目も眩むような神澤の笑顔。起き抜けの大好きな顔に心臓が跳ね上がり、思わず大声を上げる。
「うわっ……」
「何?その反応、傷付くなあ」
「ご、ごめん。あんまり綺麗で、驚いて……あっ」
思わず本音が溢れてしまい、慌てるが、神澤は得意そうな顔をした。
「でしょ?俺もこの顔好きなんだ」
「知ってます、青空はナルシストですもんね」
わざと呆れたように言うと、神澤は心配そうな顔をした。
その顔見たさに意地悪をする自分も大概Sだなと思いつつ、弁解しようと口を開きかけたが、バイブの音に遮られる。
「携帯?」
「うん、なんかさっきから何回も鳴っているみたいだよ。ノアの携帯」
もしかしてという予感を胸にスマホを手に取ると、ずらりと允や香晴からの着信が。何かあったのかと焦って中身を開くと、なんてことはない。恋人について問い詰める内容が延々と。
「ご両親?愛されてるねぇ」
深い溜息をつくノアの隣で、一緒に中を見ていた神澤の言葉が暢気に響いた。
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