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0.シロになった日
朝、目が覚めたらシロになっていました。
クロは困った。クロはクロなのに、どうしてシロなんだろう。
クロは自分の手を見る。手の大きさはほとんど変わらない。でも草でついた傷がなくなって、代わりに消毒薬と液体せっけんの匂いがする。そのまま指を曲げてみた。爪はきれいに整えられて、薄いピンク色に塗られていた。クロの爪垢だらけの爪とは大違いだ。とってもきれい。
クロは困った。もうすぐお仕事なのに、なぜかクロはシロになっていて、しかも裸だ。それに、ここはいったいどこなんだろう。クロはシロになって間もないので、まだシロのことを全然知らない。
困り果てたクロは、寝そべってもう一度目を閉じてみた。寝過ごしたら監督官にものすごく怒られて叩かれて一日中ごはんももらえなくなる。それでも、このままシロでいるよりよかった。だってクロはクロだから・・・・・・。
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