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『メカドさん。聞こえますか?』
「ラークス少佐、聞こえています」
メカドはバードと敵に気を配りながら無線に耳を傾ける。
『ここは私たちで食い止めますから、小隊を連れてシラスナさんを追ってください。このままではホージロ少尉が危ない』
「危ないって、どういうことですか?」
『詳しく話したいんですけど、時間がありません。お願いします』
普段は割と冷静なラークスの焦ったような口調にメカドはただ事ではない気配を察した。
「わかりました。援護をお願いします」
メカドはそう言うと小隊のメンバーを見渡した。横のバードとイメク、ギイト、フダカは無線でのやりとりを聞きつけ指示を待っていた。しかしレッドはシャドゥーとの戦いに集中しており周りが見えていないようだ。
(どうしたんだ、すごい力が体から湧いてくる)
レッドは自身の体に起きた変化をはっきりと感じていた。怒りやもやもやとした感情が体を通して力となって現れ、シャドゥーを斬りつける。シャドゥーは鉤爪で防戦することしかできず、その体は次第に宇宙へと押し上げられていく。
(こいつの力は邪気か……いや、違う)
剣と爪がぶつかり火花が散る。シャドゥーは反撃に出るためレッドが剣を振り下ろした隙を見て後ろへ下がろうとした。だがすぐに風の刃が二度目の攻撃を行いシャドゥーの脇腹を切り裂いた。
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