ジルド山の麓で

3/3
前へ
/220ページ
次へ
「これはなんだろう」  不思議がって見渡すと、レッドは辺りに同じような骨がいくつもあることに気づいた。それは爬虫類のようでも両生類のようでもある。しかし人間らしいものは一つとしてない。不気味な骨たちが横たわる村の広場跡まで来た時、レッドは突然背後に気配を感じた。 「なんだこいつは!」  強靭な爪と牙をむき出しにした服を着た怪物が彼に襲い掛かったのだ。レッドは剣を抜いたが既に遅く、怪物の爪が彼の目前に迫る。レッドが目を瞑ると、白い髪の少女が彼の前に入り剣で爪を弾き返した。 「お止めください! スケリド様!」  少女は荒れ狂う怪物にそう呼びかけた。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加