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「散会して戦艦のダストシュートを目指す! 訓練を思い出せ」
「はい! 隊長!」
空の上で水平になったメカドの言葉にギイトが元気よく返事をする。
少し遅れて、シラスナ小隊やラークス小隊もヘリから空へと飛び込んできた。ホージロは身体よりも大きいジェットパックを背に刀を抜いた。その刃はジェットパックよりも長かったが、彼女が左手で剣先を握るとスライムのように分裂し二つの剣となった。
☆☆☆
『敵襲! 歩兵部隊は直ちに迎撃せよ』
皇帝の旗艦で彼の部下、四小隊を預けられたシャドゥー、デス、影の王、アルトはならず者出身の寄せ集め小隊の前でその知らせを聞いた。
「敵が湧いたぜ」
デスが嬉しそうに剣をなめると、シャドゥーが立ち上がった。
「私が出る。影の王とアルト、デスはここに残れ」
シャドゥーは四小隊を引き連れ、ジェットパックをつけて空へと向かおうとしていた。
「あの女がいたら、必ず逃がせ。俺の獲物だ」
影の王は細い剣を研ぎながらシャドゥーに言った。
「わかっている」
シャドゥーは鉤爪を構えると部隊をつれて空へと飛びたった。
☆☆☆
「出てきちゃったよ、参ったな」
ラークスはやれやれといった感じで戦艦から飛び出てくる皇帝軍の兵士を眺めた。光と闇の合流点ともいうべき地上から50キロも離れた大気圏で、史上類をみない白兵戦が始まろうとしていた。
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