血で染まる大気圏

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「シラスナ大佐とホージロちゃん、もう行っちまった」  唖然とするギイトにメカドが無線で呼びかける。 『俺たちも後に続くぞ』 メカドは腰の剣を抜くとジェットパックの出力を上げ、皇帝軍に突っ込んでいった。 「僕たちも行こう」 イメクの掛け声でレッドたち小隊のメンバーも続いた。皇帝軍の兵士たちは散開して戦艦の前に立ちはだかった。まるで蚊の群れのようにあちこちに広がった兵士たちの中をシラスナたちのように高速で飛び抜けることは難しい。 「このままじゃ敵とぶつかります!」  フダカが慌てたように言った。 「剣を抜け、戦闘開始だ!」  メカドの合図で皆、一斉に剣を抜くとジェットパックの出力を下げ、体を水平に保つように操る。しかし迎え撃つ皇帝軍には剣士だけが在籍しているわけではない。 「ブラスターだ!」 銃を構える敵兵を見つけたレッドが叫んだ。その声とともに蚊のような皇帝軍からレーザー光線が共存軍目掛けて飛んでくる。 「避けきれない」  先頭にいたメカドはブラスターの集中砲火を浴びた。だが彼は器用にその光線を右手の剣で弾いていく。 「うっ!」  光線の一つがメカドの肩を貫き、彼は短く唸り声をあげた。しかしそれを物ともせずに彼は敵の集団の中心に飛び込み銃をもつ敵兵を次々と蹴散らしていく。
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