血で染まる大気圏

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「メカド隊長すごいな」 驚きで口が閉じないイメクにレッドが言った。 「隊長に続こう。訓練を思い出すんだ」  その言葉の後、レッドたち第一小隊は敵の群れに飛び込み剣と剣がぶつかった。フダカはブラスターを奪うと、剣を仕舞い相手に狙いを定めた。ギイトは力業で敵兵を圧倒する。イメクは流れるような動きで敵を切り裂いていった。彼の剣はほとんど重量がなく、まるで絹布のように空中で舞った。アークは後方で全員を援護するように弓を引いていた。彼の視野は通常の兵士よりはるかに広いのだ。 「さすがメカドさん。あの新兵たちをここまで強くするなんて」  ラークスは後方でメカド小隊の強さに圧倒された。 「さあ、私たちも戦おう」  自身の小隊とシラスナに置いて行かれた部下たちを引き連れ、ラークスたちも空中の白兵戦に参加した。戦艦の上空は敵味方が入り混じり混戦状態である。その様子をシャドゥーは後方から見つめていた。 「少しは骨のある兵士のようだ。しかしあのバカ女が作戦司令官で共存軍は災難だな」  冷静に戦場を分析するシャドゥーには共存軍のヘリコプター三機が護衛に全く守られていないことがわかっていた。本来、後方に立って作戦指示を出さねばならないシラスナが一人で飛び込んでいってしまったため共存軍は目先の戦いに囚われていた。
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