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「オズカシ村の剣士よ。とりあえずわし等の家へ来い。話は山ほどある」
スケリドとホージロは町はずれの小さな家にレッドを案内した。ボロボロになった村の中でこの家だけはわずかに人の気配を感じる。レッドが家に帰ると幼い少女が玄関で待っていた。
「お姉ちゃん、叔父ちゃん。おかえりなさい」
「シャクーただいま。今日はお客さんがいるのよ」
「客人じゃシャクー。失礼のないようにな」
五歳くらいの白い髪の女の子はレッドに小さく頭を下げる。
「こんにちは、シャクーです」
「こんにちは。僕はレッド。オズカシ村の剣士だ」
「お兄ちゃん剣士なの? じゃあ強いんだ?」
「もちろん、三剣者とも知り合いさ」
「お姉ちゃんよりも強い?」
シャクーが興味津々に尋ねる。レッドは口ごもった。
「当たり前でしょ。オズカシ村出身なんだもん、ね?」
ホージロはレッドを見て言い、
「さあシャクー。あっちでお姉ちゃんと遊ぼっか」
シャクーを連れて庭に出て行った。
「剣士よ。こっちへきたまえ」
居間のほうからスケリドが声をかけた。レッドには爪のある怪物が居間の座布団に座り、お茶を啜る光景が奇妙に思えた。
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