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峠を抜けると細い一本道が続いている。片側は崖で落ちたら死ぬ高さだ。しかしジルド山の恐怖に比べればマシだった。こんなところにも人間が歩いているのか。足を進めると開けた街にでた。小さな屋根が不規則に並んでいる。活気もある。ここがゴツマだ。レッドが街に入りと入り口に奇妙な立て札を見つけた。
≪これより先ゴツマ サンガオー自治区
ヘリコプター:グライダーの貸し借りを禁ずる≫
「サンガオー? 魔法使いか。ここに書いてあることが本当か、街で確かめてみるかな」
レッドは立て札に注意を払いつつ街に入った。ゴツマには古い時代の建物が多くある。新しい車は見当たらない。まるで江戸時代にタイムストップしたみたいだ。街のメインストリートでは武器商人たちが刀やブラスターを売りさばいている。
「どこよりも安いよ、おっ兄ちゃん剣士かい?」
頭にバンダナをしたロボットの商人がこちらに話しかけてきた。
「ああ。ひとつ聞きたいんだが、入り口の立て札の注意書きは本当か?」
「本当だ。俺たちは魔法使いには逆らえない。この前も勇敢な旅人が奴のアジトまで行こうとしたんだ。でもよヘリコプターで向かったさきに大きな光の玉が飛んできて、そいつは殺されちまった。そしてヘリコプターを貸したやつは死刑にされた。悪いことは言わねえ。魔法使いを討伐しようと考えないことだ」
商人は暗い顔で言った。
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