ジルド山の麓で

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ジルド山の麓で

――オズカシ村――  ここはこの国一番高い山、ジルド山の麓。オズカシ村の剣士レッドは、父と同じ軍人となるべく、村を旅立とうとしていた。 「気を付けてな」  村人総出での見送りにレッドは小さく頭を下げた。 「ありがとう、みんな」  オズカシ村は少し変わっている。ジルド山は噴火を続けており、溶岩が村のすぐそばまで流れ込んでいる。しかしシールドで村は固く守られているためこの村に届くことはない。  レッドは村一番の剣士になった。そして共存軍からの入隊の誘いも潔く受け入れた。戦争はもちろん怖い。だが新しい世界への冒険と強い敵との出会いという誘惑に彼は勝てなかった。同じようにこの時代の多くの若者たちは共存軍に命を預けていった。 「また夏になったら、戻ってくるよ」  レッドは手を振って旅に出た。目指すは最大の大都市ダゴヤである。ここには真新しい国際空港と共存軍の基地がある。車をつかえば二時間も掛からないがレッドはあえて歩いていくことにした。これも修行の一環である。
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