3人が本棚に入れています
本棚に追加
アイ
「おっはよー!」
朝っぱらから元気な声が響く。
「はいはい、おはよ。」
同じクラスだがそれくらいの付き合いしかな い。が、俺はそんなコイツのことが好きなのだ。報われない恋なのはわかっている。どうせ向こうはなんとも思ってないのだ。
「元気なくなーい?風邪?」
なに、心配してくれたのか?嬉しすぎるわ全く。ほんといいやつだな、おい。
「いや別に。普通だけど。」
はい、素直になれなーい。損してるのは分かってる。でも、自分じゃどうしようもない。
「あっそ。ねね、それよりさ、今日数学のテストあんじゃん?」
「おぅ。勉強したのか?」
いや、お前のことだから……
「するわけないじゃーん!」
だろうな。
「そこでさ、1つ頼みがあるのさ!」
「いやだ。」
なんだ、なんだなんでも言え。
ニヤリ、と笑ったキミが言う。
「予想してほしいのよ、『絶対出る』問題。」
「は?」
え、なに、そんなに俺のこと信用してくれてるわけ?嬉しいな!いや、そうじゃなくて、
「当たる気しないんだけど。」
「いーの、いーの。○○の予想ならいーの。」
マジでか…。めっちゃ嬉しい…え、気合い入れよ…昨日勉強して良かった…。
「いい?」
「分かったよ。」
「おっしゃー!!よろしくっ!」
はい可愛い。めっちゃはしゃいでんじゃん。なに?そんな嬉しいの?はー…マジ天使じゃん。
「あ、ねー○○、」
「なに、まだなんかあんの?」
またお願いか?
口が、スローモーションのように、動く。
最初のコメントを投稿しよう!