アイ

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アイ

 「おっはよー!」 朝っぱらから元気な声が響く。 「はいはい、おはよ。」 同じクラスだがそれくらいの付き合いしかな い。が、俺はそんなコイツのことが好きなのだ。報われない恋なのはわかっている。どうせ向こうはなんとも思ってないのだ。 「元気なくなーい?風邪?」 なに、心配してくれたのか?嬉しすぎるわ全く。ほんといいやつだな、おい。 「いや別に。普通だけど。」 はい、素直になれなーい。損してるのは分かってる。でも、自分じゃどうしようもない。 「あっそ。ねね、それよりさ、今日数学のテストあんじゃん?」 「おぅ。勉強したのか?」 いや、お前のことだから…… 「するわけないじゃーん!」 だろうな。 「そこでさ、1つ頼みがあるのさ!」 「いやだ。」 なんだ、なんだなんでも言え。 ニヤリ、と笑ったキミが言う。 「予想してほしいのよ、『絶対出る』問題。」 「は?」 え、なに、そんなに俺のこと信用してくれてるわけ?嬉しいな!いや、そうじゃなくて、 「当たる気しないんだけど。」 「いーの、いーの。○○の予想ならいーの。」 マジでか…。めっちゃ嬉しい…え、気合い入れよ…昨日勉強して良かった…。 「いい?」 「分かったよ。」 「おっしゃー!!よろしくっ!」 はい可愛い。めっちゃはしゃいでんじゃん。なに?そんな嬉しいの?はー…マジ天使じゃん。 「あ、ねー○○、」 「なに、まだなんかあんの?」 またお願いか?  口が、スローモーションのように、動く。
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