虹色のカーテンの下ー神の狼ー

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住処で過ごし始め、月の満ち欠けで何日経ったか数えた。 虹色のカーテンが出た夜が、2回。 2週間に1度が、虹色のカーテンが出る。 1ヶ月は経った。 村から出て、1ヶ月半。 『贄は名誉だ』 『神から村への授かりがある』 口々に村の大人たちが言っていた。 亡くなった祖父母は、私を独りにするのを酷く心配していた。両親が亡くなってから、村外れに住まいを移した。 より、森の近くへと……。 狼は、私が森を恐がらずに住処に来たのは特に気にしていなかった。 ドサッ。 狼が狩ってきた、野うさぎが目の前に出され顎で「食え」と合図した。 「ありがとうございます」 ひと言、礼を言いナイフで捌き焼いた。すべては食べず、何日か食べれるように(いぶ)る。 そうすると、野うさぎが捕れない日があっても空腹をしのげた。
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