目覚めたら 白雪姫

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「あーもー!!!!うっさいんじゃー!ボケー!!!!!」 小人も 王子も 動物も   固まった。 「だいたい生ぬるいんじゃ!この話!あーこれ邪魔!!」 敷き詰められたスイレンっぽい花を放り出す。 「まず小人!!お前ら他人を信用し過ぎ! 家帰ってきたら、知らんやつが入ってるんよ!?これ家宅侵入罪や完全なる!!鍵ぐらいかけられんのか!! 何?美人なら何でもOK?下心丸見えやん!!お前らの部屋汚すぎやし料理もできへんし・・・んもぉー!!!7人おんねんから家事ぐらい分担せい!生きていけんぞ この先!!!!! しかもさっきまで死んどったやつが生き返ったんよ?!普通『わー!ゾンビだー!』ってなるんやない?!どうなってんのこの世界は!!」 同じ顔が7つ、 目をハトのようにして私を見上げる。 見分けつかんから 余計めんどくさいわ・・・ 「それからそこの動物!!私を見つけてくれたことは感謝しとる。でもな!この状況においてキャンキャン鳴いとるだけで何もせーへんのかい!受け身で生きるのやめろや!」 小ウサギの耳が、パタンと折れた。 「そんで一番はお前や! どこの王子か知らんけど、そっちと会ったんは初めてなんよ!?なのに?会った直後にキスして、『私の追い求めていた人です』?!ふざけるのもいい加減にし!!」 王子はまさかの涙目になっている。 え、ここで泣くん? 「あーーー、とにかくウチ行くわ。」 「え、どこへ…?」 年長者の小人が尋ねる。 「んなもん決まっとるわ!!ウチ殺そうとしたアイツをとっ捕まえるわ!!にーちゃん、これ借りるわ!」 私は王子の腰についていた剣を引き抜く。 「ま、待ってください!!」 白馬にまたがろうとした私を、イケメンが引き止めた。 「何?まだ言いたいわけ?」 「僕は母上から、女の人は弱いから、あなたが守るようにと、教え込まれてきました。僕の前に現れる女性は、皆とてもか弱くて、控えめでした。僕はそんな環境が嫌で嫌で仕方ありませんでした。彼女たちがバレバレの演技をするように、僕も王子として演技をしないといけなかったから。 あなたのような、強くてたくましい女性は初めてです! どうか僕も連れて行ってください! 僕を男にして下さい!」 私は、イケメンの目をじっと見つめる。 未熟さの中にある、決心。 この子はもっと もっと伸びるはず。 私の目に 狂いはない。
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