1章 夏牡蠣のレモン添え

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 軍事コンテナ内で会議代わりに立ち話をする。 「メイオールIIの防衛艦隊の把握はできている?」 「不正確に言えばできたわ」 「不正確……?」 宇宙空間でやることと言えば、通る商船の通信を聞くこと。 地球のような場所と違って雑電波がないのですごくやりやすい。 「1番艦リーベリー、2番艦ジェイムズ、3番艦ドゥラセイロ。彼らローテーションで別提督と交代するの」 宇宙開発初期のアポロ宇宙船も船長は度々交代している。 ずっとアームストロング船長だったわけではない。  毛利まるる、という天ノ川からアンドロメダ銀河に渡った人物も提督候補(ローテーション)として上がっていた。 聞いていた晴香が反応する。 「む、同郷対決かー。藍瑠のように捕獲して味方にしたいなー」 晴香は時々語尾を伸ばすくせがあるので、声を聞いただけで誰か分かる。 「できないみたい」  理由を話さないうちに、警報が鳴る。 「カッパから偵察艦が接近している……」 船足の速い麻里亜の艦が破壊に向かう。 「破壊しないと探知されちゃうね」
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