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序章
メイオールIIの惑星κ<カッパ>には防衛艦隊が存在する。
「ドゥラセイロ提督、付近に異常がないか探査してくれ」
総督にそう通信された3番艦の提督が、ソナーに目を通す。
「異常はありません」
付近にカモフラージュされた艦隊がいるという情報が入っている。
だが、見当たらない。光学迷彩、重力レンズステルスなのかは分からない。
「ダークゴーストも、ぼんやりとも見えない技術レベルになったな」
1番艦の総督は、ないものを視る力がある。
予測通りに熱源モニターが、飛翔体を確認する。
「何をしている! チャフの準備をさせろ!」
3番艦の通信がプッツリと途絶える。
衝撃音がすぐしたので、手前で爆発させる電子機器障害を狙った攻撃だったようだ。
相手の通信が割り込んでくる。
「わたしは海老原遊撃隊2番艦の可児村晴香。レアメタル船は頂いたよー」
ダークゴーストを解除した敵戦艦が、護衛していた商船を曳航していくのを目にする。
追撃はしない。繋がらない通信の再開を優先させる。
味方は何かの手段で機能停止している。保護をしなければならなかった。
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