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1章 夏牡蠣のレモン添え
「お久しぶり~」
ゴシック服の星月悠が振り向くと、海老原遊撃隊のキャプテンの舞宇の姿がある。
海賊のころの私服とは違っていて制服の姿。
元々女性ばかりの宇宙海賊団が、共和国の軍隊に編入されての生活を強いられている。
「慣れた?」
「ううん。」
共和国の艦隊が、バースト反射を達成して平穏な宇宙を取り戻した。
それは彼女たちには遠い存在の事だ。
「敵勢に助けられているなんてね……」
「それよりこの後どう生きるの?」
こう生活しろ、こう勉強しろなんてものは書いている人の主観でしかない。
ひとりひとり個人の見えるものは違うのだから、見たまま判断すればいい。
舞宇たちにすると、太陽圏……天ノ川銀河に今いるけれど、隣の銀河系に行くのがいいかもしれない。
「そっか、天ノ川の生命可能な場所は、共和国が完全制圧したって話も聞くよね」
艦隊戦のお仕事を探すのなら、別の銀河に行くしかない。
「アンドロメダ銀河に行くの……?」
45億年後に太陽圏が飲み込まれるとされるアンドロメダ銀河。
そこには天ノ川の2倍の数の星があるという。
アンドロメダ銀河は、地球換算で約250万光年の距離にある。
さらに13万光年離れたメイオールIIという星団に転送してもらう。
「1箇所にしか行かないけどねー」
遊撃隊は共和国の主力艦隊ほど強くない。
特別な人型兵器も持ってないから、辺境で私掠活動をするくらい。
「自由は利くの……?」
ヨツンヘンが太陽圏付近を支配し、グランハイムや海老原遊撃隊は管理下にある。
「ポチ提督の代理のタウンゼン大佐に、上納金納める条件で許可取ってきた」
なのに遊撃隊という名前の海賊を野放しする。あの国の管理体制は甘甘だ。
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