1章 夏牡蠣のレモン添え

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 2番艦の晴香と3番艦の麻里亜が共同で獲物である商船を追っている。 惑星方向から出てきたのは防衛艦隊2番艦。敵性通信が繋がれる。 「この付近を私掠する野蛮人め」 まるるは一見アイドルとも思える服装だ。 しかし古くからある毛利の一族で高速ロケット砲の使い手で侮れない。 麻里亜は煽るような発言をする。 「この子は命いらないのかな♪」 まるるはむっとすると、砲手にいつもの倍、弾用意してねと合図する。 晴香は麻里亜を見ながらあまり刺激するなよという合図する。 その後、散開とリフレクター展開の指示を出した。 「2番艦はレーザーメインだから、麻里亜のような派手さはないけどね」 3番艦と同期してきた移動を変更する。 逆噴射をしばらく使ってなかったせいか、出が悪い。 「整備士に、頻繁に使っている時の状態にしといてって言ってたのに。もーっ」 エンジンが逆噴射を始め、進行方向が敵と水平に変更される。  一方で麻里亜の艦は、1時方向の敵に向かってまっすぐ直進していく。 「敵は射程短そうだけど、範囲に入らないうちにUターンしなよー」 「分かってるよ……」 壊されたら艦のスペアはない。  毛利まるるの陣営では、向かってくる3番艦への攻撃のしかたで、意見が割れていた。 副官のコッド氏が早い段階での右折を進言する。 「撃ち合った後で右折すると、もう1艦の挟撃を受けます」 「曲がったりしない。こっちも突進するよ」
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