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毛利まるるはキラリと目を輝かす。勝算はあった。
時間にして1時間ほど後。米粒サイズにも見えなかった敵艦が視認できる位置まで来ている。
「接近したら、戦艦戦というより航空戦を想像してもらうといいかな」
眼前で麻里亜艦がミサイルの大量撃ちをした後、インメルマンターンで逆方向に逃げていく。
対するこちらは、ミサイルも敵も粉砕する連弾の矢。
それは毛利の名前にかけただけの高速ロケット弾の連射だ。
その弾幕は、麻里亜のミサイルを確実に撃ち落した。
「あぅ……」
麻里亜のため息が漏れる。まるるは追撃位置にあり、撃ちながら迫っていく。
このまま追えば撃墜できるように思える。
副官のコッド氏は心配そうに提督を見る。
「分かってるよ、敵2番艦は近くに見えないけど……」
2番艦はゴースト化して付近にいるのだ。見張りより連絡がある。
「左舷後方よりレーザー反応。回避できます」
戦闘機動でレーザーを避け、右に転進しようとする。
だがコッド氏は、戦前の位置関係からその方向に注意するように言う。
「右舷に敵がいるはずだ」
「そんなはずは……」
転進は強行される。右に曲がって数秒後に答えは出た。
まるるは呆然として通信回線の晴香の声を聞く。
「初撃はリフレクタービットによるレーザー反射だよ」
2撃目のレーザーは思った方向とは全く違う位置。
晴香艦が正面から、回避運動中のまるる艦を粉砕した。
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