28章 宇宙マヨ焼きそば

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 原始イプシロイアの2番手も宇宙港にやってくる。 メルキドーラ=フランチェスク。黒髪なので倭人に紛れると分からないかもしれない。 「メルキド、待ったよー!」 「あれ? フィオラは宿舎じゃないの?」 宿舎は七海坂が退去して開いていると思ったらそうでもない。 倭寇の奈津や詩海の治療が終わらないので、使えるスペースは1畳半。 外にいる時間が多い。 「コースってどんな感じ?」 フィオラはまだ1戦目戦ってはいないけど、システム担当に問い合わせして戦場を見せてもらっている。 「森林地帯みたい」 長砲身だと大砲が木に引っかかるらしい。 大きいと木を折って進まないといけなくなる。  フローレンスが開戦を宣言する。 「さてやってまいりました、原始イプシロイア対遊撃隊の電脳戦。解説の麻里亜さん。フィオラ対咲葉ですか」 咲葉は回復したて。それでフィオラのような強い相手と戦いたいと志願した。 「戦車はフィオラがベルデハ。咲葉が60式自走無反動砲です」 双方10t以下の軽車両。横幅2m少しなので木々の間もなんとか抜けられる。 フィオラは75mm榴弾砲を開戦と同時に連射しはじめる。 「咲葉さんは操縦に難ありですからね……」 木に回避運動を阻まれて目をぱちぱちさせる。 モニターにはもう傷だらけの姿を映されている。 しかし大技を撃っていくのは咲葉が先だった。 血咲く巴里の遊園地(ブラッディテーマパーク)――――
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