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原始イプシロイアの2番手も宇宙港にやってくる。
メルキドーラ=フランチェスク。黒髪なので倭人に紛れると分からないかもしれない。
「メルキド、待ったよー!」
「あれ? フィオラは宿舎じゃないの?」
宿舎は七海坂が退去して開いていると思ったらそうでもない。
倭寇の奈津や詩海の治療が終わらないので、使えるスペースは1畳半。
外にいる時間が多い。
「コースってどんな感じ?」
フィオラはまだ1戦目戦ってはいないけど、システム担当に問い合わせして戦場を見せてもらっている。
「森林地帯みたい」
長砲身だと大砲が木に引っかかるらしい。
大きいと木を折って進まないといけなくなる。
フローレンスが開戦を宣言する。
「さてやってまいりました、原始イプシロイア対遊撃隊の電脳戦。解説の麻里亜さん。フィオラ対咲葉ですか」
咲葉は回復したて。それでフィオラのような強い相手と戦いたいと志願した。
「戦車はフィオラがベルデハ。咲葉が60式自走無反動砲です」
双方10t以下の軽車両。横幅2m少しなので木々の間もなんとか抜けられる。
フィオラは75mm榴弾砲を開戦と同時に連射しはじめる。
「咲葉さんは操縦に難ありですからね……」
木に回避運動を阻まれて目をぱちぱちさせる。
モニターにはもう傷だらけの姿を映されている。
しかし大技を撃っていくのは咲葉が先だった。
血咲く巴里の遊園地――――
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