28章 宇宙マヨ焼きそば

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 レトロな戦車が回転木馬のように地形で上下しながら、砲弾をベルデハに降らせ始めた。 「解説のメルキドーラさん。ベルデハの砲身が吹っ飛んでますね」 咲葉の攻撃はなかなか強い。フィオラの攻撃手段が失われたように見える。 「生体管理局(うち)の砲は生体で出来ています。修復されるのです」 ――――ヘイフリック限界突破 フィオラはベルデハを不壊にする。咲葉がいくら砲身を破壊しようが、無限に修復する。 そしてその砲は咲葉を徐々に破滅に追いやっていく。 「きゃああああ!」 ついに60式自走無反動砲は直撃弾を浴び、モニターの咲葉が動かなくなる。 係員の鶯弥は、救助するために筐体の扉を開けようとする。 「待って。ぼくはまだ死んでないよ」 死ぬまでやるのかと思う。でも鶯弥は降伏しない意思を尊重する。 再起動。戦いはこれからだ。  別室で電脳戦も見ている舞宇は、2台目の画面で艦隊行動をしている茂那や明無と会話する。 「篠絵が来てなくて良かった」 茂那と明無はうみへび座のNGC 5236銀河辺境の惑星κ<カッパ>に来ている。 この銀河はフェイスオン銀河と言って、天ノ川銀河……地球などに対して正面を向いていて、回転花火銀河の名の通り綺麗な姿を見せてくれる。 でも観測の美しさと惑星の良さは別だ。 「海賊多いね」 レーダーには赤い点が映っている。海賊と戦闘してデータを取れば今回の任務は完了だ。 「咲葉はどんな感じ?」 舞宇は1台目の画面に目を向ける。
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