28章 宇宙マヨ焼きそば

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 咲葉は使い物にならなくなった左手のコントローラー操作を諦め、右手で動かす。 口に棒を咥えるとボタンはそれで押していく。 フィオラのベルデハは60式の方に砲塔を向けるとトドメの一撃を放とうとする。 ー天空庭園(バビロン)の幻視ー 先に発動したのは咲葉の方だ。 遊園地(ブラッディ)は高角射撃に変更され、ベルデハのレーダーによる回避運動を不可能にする。 「すごい……逆転した」 砲台はいくらでも復活するが、乗員がやられては終了だ。咲葉が勝利宣言をする。 運ばれていくフィオラの服はボロボロになっていて、ロゴのLevel(レベル)の5の字部分の素肌が見えている。 「レベルえっちぃ……」 観客のざわめきを解説の麻里亜は聞き流す。舞宇は遊撃隊艦側の通信を再開した。  海賊側。シャノーテ=エスカローラは遊撃隊(しりゃく)接近の報を受け、臨戦態勢をとる。 すぐにレーダーに赤い点が映った。 7c8f2388-dc7a-4450-8d05-8f0f3357bde1 シャノーテは通信回線を繋ぎ、宣戦布告をする。 「天ノ川銀河のド田舎の連中に正統なる……」 「提督、提督」 副官が袖を引っ張る。 「何でしょう?」 「敵提督の茂那は通信を切っていますが」 伝わっていない。問答無用で攻撃をしてくるらしい。
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