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その茂那は大型化した艦の戦闘配置を指示する。
レナやトニアのラケアニア艦のように、一度必殺を受けたくらいでは沈まなくなった。
だから砲台が重要になる。
「砲台担当は明無ね」
新型艦は旧世界のもので、操作方法が分かったのは今のところ左舷の2番砲台だけだ。
「全部は使いこなせてません。2番砲台だけ運用します」
右舷に回り込もうとするから、旋回をして常に左舷を敵に向ける。
敵艦はシャノーテが操作と砲撃をする。
シャノーテ対明無の構図になってきた。
シャノーテは副官に指示し、開戦時の映像……明無を見る。
「敵提督はまだ成人してないらしいね」
「防御力・火力は向こうが上でしょうが、当てられなければ勝てます。ひよっ子が当てられるはずなどありません」
海賊側の副官は侮るような表情をする。
明無はシャノーテ艦を見る。航空機型で砲台は前方のみ。
左舷でこちらを向いたときがチャンスでありピンチだ。
「撃ってくるよ、防御体制とって!」
砂虎鮫の牙――――
シャノーテ艦の粒子砲が鮫のびっしり並んだ牙のように光る。
シールドは簡単に食い破られ、明無のいる辺りに攻撃が集中する。
「死んだか……?」
――――金剛夜叉明王の守り
砲室を硬化している。モニターには傷ひとつない明無が映っていた。
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