28章 宇宙マヨ焼きそば

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 その茂那は大型化した艦の戦闘配置を指示する。 レナやトニアのラケアニア艦のように、一度必殺を受けたくらいでは沈まなくなった。 だから砲台が重要になる。 「砲台担当は明無ね」 新型艦は旧世界のもので、操作方法が分かったのは今のところ左舷の2番砲台だけだ。 「全部は使いこなせてません。2番砲台だけ運用します」 右舷に回り込もうとするから、旋回(シャンデル)をして常に左舷を敵に向ける。 敵艦はシャノーテが操作と砲撃をする。 シャノーテ対明無の構図になってきた。  シャノーテは副官に指示し、開戦時の映像……明無を見る。 「敵提督はまだ成人してないらしいね」 「防御力・火力は向こうが上でしょうが、当てられなければ勝てます。ひよっ子が当てられるはずなどありません」 海賊側の副官は侮るような表情をする。 明無はシャノーテ艦を見る。航空機型で砲台は前方のみ。 左舷でこちらを向いたときがチャンスでありピンチだ。 「撃ってくるよ、防御体制(シールドてんかい)とって!」 砂虎鮫(ガブリアス)の牙―――― シャノーテ艦の粒子砲が鮫のびっしり並んだ牙のように光る。 シールドは簡単に食い破られ、明無のいる辺りに攻撃が集中する。 「死んだか……?」 ――――金剛夜叉明王(バジュラヤクシャ)の守り 砲室を硬化している。モニターには傷ひとつない明無が映っていた。
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