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電脳戦について話す。
「次戦はメルキドとレナ?」
晴香は首を横に振る。
原始イプシロイアは1戦目の負けを重く感じ、メンバー変更してきた。
メルキドは5番くらいの強さなので、解説だけをする。
「倭人の子、悠結が来てる」
原始イプシロイアが黒劇団メフィスト戦で一矢報いる勝利をした子だ。
「悠結がエントリーしてなかったのは、倭寇に勝ち譲ったからすごく格下に見られてたわけ」
遊撃隊の会議室では麻里亜と舞宇とレナが話しあっている。
「このまま車両電脳戦を続けるの?」
遊撃隊の試合は人気あるんだけど、最近流行りは航空電脳戦らしい。
惑星アドニスの電脳戦中継も、だんだんとそちらが主流になってきた。
「黒劇団メフィストと当る前に撤退しよっか」
「じゃ原始イプシロイアが最後ね」
その悠結は親睦のために先に来て惑星アドニスの熱帯植物園を回っている。
フレアスカートをひらひらさせながら、小天狗菜々花の案内で移動する。
たいがいの植物名は知っている。イチオシはヒスイカズラ。
「さすが生体管理局ね」
菜々花は褒めたけど、そうじゃないところもある。
ツインテールの髪が長いから、あちこちの植物で引っかかる。
髪が切れちゃうと可哀想なので、取りながら歩く。
「熱帯植物園って自然のアロマだよね」
パイナップルやマンゴーやパパイアが植わっていて、近付くと甘い香りを感じる。
「バナナが近くにあると、むしりたくなっちゃう」
美味しいのは確実だけど、植物園のもの。見学するとお腹が空いてくる。
「もちろんカフェ寄っていくよね?」
熱帯植物園は食事処があって、トロピカルなメニューが食べられる。
「自前のを使っている所と、普通の輸入食材を使っている所で差があるけどね」
自前だと採りたてで美味しいけれど、惑星アドニスの熱帯植物は貴重で、食材は輸入らしい。
デザートの他は軽食メニューがほとんどで、焼きそば系もあったりした。
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