28章 宇宙マヨ焼きそば

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 貸し出し会議室から出ると、ルリアーユを待っている娘がいる。 「涅夢です。お久しぶりです」 倭寇のボス。黒劇団メフィストと戦って死にかけた子だ。 今はそれなりに回復して松葉杖で歩くことができる。 親睦と言っても怪我人を連れて行けるところは限られている。 打ち上げ花火をするグループがあるというのでついていく。 「毎年この時期になると小規模にやってるらしいです」 菊や牡丹の割物と、柳や蜂などのポカ物が交互に花開く。 閃光が走るとルリアーユの姿が闇夜に浮かび上がる。 「倭人じゃない人の着物も素敵です」 2人は次の戦闘で花火のように散華しませんようにと祈りを込める。 ルリアーユは涅夢を見て思う。 「ちょっと胸の辺り太った?」 太ったという表現はないだろうと涅夢は思う。 でも動かないで治療を受け、食事だけ摂っているからそうなる。人気だけは上がりそうだ。  電脳戦の会場では係員の鶯弥が電脳戦ギルドの人と会話している。 遊撃隊の車両電脳戦終了が発表され、彼らは他のグループの所に行く。 「遊撃隊会場でのお仕事もあと2戦ですね」 「寂しくなるけど、航空電脳戦でも元気でやれよ」 ギルドの人と話していると、鶯弥は客席に不自然にいる娘を見つける。 モニターは前試合のダイジェストを流していてそれを見ている。
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