28章 宇宙マヨ焼きそば

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 ルリアーユは身震いする。目の前にいるのはただの遊撃隊の隊員ではない。 前の試合、レナが強いと言われていた。それは強力なラケアニア艦に乗っているからだ。 電脳戦の技量は神流が上。真に強いのはこの相手……! ――――ホログラム(デス) ドクロ模様の砲弾が九五式から放たれる。 「冥界に送ってあげるよ」 ルリアーユのBT7は機動力を生かして避ける。跳ねる。だが。 ー逆さ柱・天地落下ー ルリアーユBT7の車体が逆さになり地面に叩きつけられる。 倭国の陽明門は魔除けのために柱を天地反転させた。 神流は生体を使って大地を支配し敵を反転させる。 「貫けっ……ホログラム(デス)!!!」 動かなくなった筐体からルリアーユが脱出するのと、神流の一撃が筐体を木っ端微塵にするのはほぼ同時だった。  観客席でアルマが舞宇と話している。 「神流ちゃん、試合前は落ち込んでいたけど、結構強いじゃない。でも、前はイプシロイアに近い子だったんじゃない? 戦っちゃっていいのかな?」 舞宇がアルマに情報を伝える。 「ヴァルディスが神流に生体管理局にいては駄目だって説得したみたい」 「へぇぇ……」  アルマは舞宇に質問する。4戦目の情報が一切出ていない。 4戦目はステイシア海賊団で対戦を回避したトニアでいけるのかと聞きたくなる。 「それなんだけどね、助っ人入る……時埜(ときの)ちゃん!」 神流に勝っている時埜……実はこの地区の時空管理局のボスなのだ。 七海坂が解散した今、アイドル活動に戻る前に遊撃隊で1戦だけする選択がまだあったらしい。 「悠結(ゆゆ)は時埜に勝てるって言ってたらしいけど……?」 「悠結(ゆゆ)はものすごく強いのかもしれないから、そう言えるのかもしれない」
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