28章 宇宙マヨ焼きそば

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 同時刻。原始イプシロイアの主将、ミカ=グレイブランドは上機嫌で悠結(ゆゆ)とショッピングに出ている。 惑星アドニスは商業都市なので、靴や洋服、端末の機種変更、料理用品の郵送まで何でもできる。 「何で機嫌いいの?」 悠結が聞くと、簡単な理由が返ってくる。 「レナ撃破してくれたから~」 ミカが戦う時に2勝1敗で戦う予想になっている。負け逃げても延長戦。 4人目はまず連戦しないから、悠結が出て必ず勝てる。 なお、2人がショッピングしている所には電脳TVは付いてないから、ルリアーユが神流に負けたことは知らない。  端末に着信が入る。 ミカはなかなか出ようとしなくて、悠結に促されてやっと通話ボタンを押す。 「るるるる……ゴメーン。負けちゃった」 「え?」 ミカの顔色が蒼白になる。遊撃隊は時埜が出るという話を本人から聞いていた。 彼女相手は引き分けがせいぜい。 つまりミカは命をかけて電脳戦の時埜(ボス)を倒しに行かねばならない。 弱小の七海坂でアイツだけは魔王だ。処刑宣告を受けたに等しい。 「へー強かったの。死ななくて良かった」 ルリアーユからの情報に、棒読みで返答する。 いつの間にかミカはボロボロ涙を零している。 悠結は気の毒そうにそれを見ていた。
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