28章 宇宙マヨ焼きそば

27/30
前へ
/1997ページ
次へ
 遊撃隊の食堂では、残念ながら閉店したマヨカフェのメンバーがお手伝いをしている。 マヨ焼きそばは売らないので、デザートコーナーに平居真乃と巌地やまとはいる。 「生シェイク?」 今年の流行はソフトクリームに牛乳と何かを混ぜて作るスイーツだ。 イチゴだったりメロンだったり、作る所の名産品に左右される。 「うちの名産品……?」 いつの間にか横に来ているフィリーが、死ぬほど辛いわさびのチューブを主張してくる。 フローレンスと麻里亜なら却下するところだが、真乃は使い方を知っている。 「ワサビアイスってミントのような刺激のある抹茶味になるの。かなり美味しい」 フィリーの期待は食べた人の悶絶かもしれないが、熱意には応えられそうにない。  生シェイク・わさびのオーダーが入る。 原始イプシロイアの人たちが4戦目を前に食事をしながら作戦会議を始めている。 「ここで……?」 「どうぞ聞いてって、そしてわたし(ミカ)を殺して!」 遊撃隊の食堂メンバーは荒れてるなあと、ミカを気の毒そうに見る。  遊撃隊の会議室では時埜が舞宇と話している。 「本当に貴女は魅力的よ」 アイドルとしても提督としても最高の位置にいる。 誘って1戦だけの仲間以上にできなかったのが悔やまれる。 「それより作戦をお願いします」 舞宇はミカの情報をメインコンピュータから時埜の端末に転送させる。 「黒劇団メフィスト戦では1勝2敗で回ってきて負け逃げしてる」 勝っても悠結(ゆゆ)が5戦目で勝てないから、無駄に死ぬことはないという状況らしい。 「今回は時埜以外で悠結(ゆゆ)に勝てないから、来るよ。殺さないようにね」 「保証できません」 舞宇は目の前の時空管理局のボスに寒気すら覚えた。
/1997ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加